症状
皺（シワ）、皮膚の下垂等（タルミ）等の症状は、加齢や酸化ストレスにより、表皮幹細胞の減少や機能低下により、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を生成する線維芽細胞への分化が抑制されることにより皮膚の弾力性や回復力が損なわれることで生じると考えられています。
また、シミは人体を有害な紫外線から守るために、皮膚の最深部である基底層で生成されるメラニンが、本来は1カ月程度で表皮とともに剥落するにもかかわらず、表皮幹細胞等の減少等に伴う新陳代謝機能の低下により、皮膚中に滞留することにより生じると考えられております。
幹細胞による治療法とその効果
幹細胞の投与による皮膚治療とは、人体に本来備わっている有用アミノ酸（コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸等）の生成機能、皮膚の新陳代謝機能を表皮幹細胞や線維芽細胞を増大、活性化させることにより回復を図るものであります。
幹細胞治療を行う場合には、再生医療提供機関（認定病院）において、患者様の腹部より脂肪細胞を少量（10～20グラム）採取致します。
その後、当社の研究所において、「細胞の検査」「幹細胞の分離」「幹細胞の培養」「幹細胞の保管」のプロセスを経て、培養保管された患者様の幹細胞を認定病院において、局部注射により患者様に投与致します。
当社では、平成27年11月25日の再生医療法本格的施行以来、皮膚症状改善の治療のために、延べ260件の幹細胞の培養実績を有しております。
論文
Clinical application of human adipose tissue-derived mesenchymal stem cells in progressive hemifacial atrophy (parry-romberg disease) with microfat grafting techniques using 3-dimensional computed tomography and 3-dimensional camera
Kyung Suk Koh, Tae Suk Oh, Hoon Kim, In Wook Chung, Kang Woo Lee, et. al.
Transplantation surgery and research, Volume 69, Number 3, 331-337, 2012
被験者：10名のロンバーグ病患者（男性5人、女性5人、平均年齢28歳）
Antiaging treatment of the facial skin by fat graft and adipose-derived stem cells
Luiz Charles-de-Sa et al.
Plastic and Reconstructive Surgery, Volume 135, Number 4, 2015.
被験者：美容治療を希望する6名の被験者（男性1名、女性5名）
Cell-assisted lipotransfer for facial lipoatrophy: efficacy of clinical use of adipose-derived stem cells
Kotarao Yoshimura et al.
Dermatol Surg, 34:1178-1185, 2008
被験者：顔面脂肪萎縮症の患者6名（深在性エリテマトーデス5名、ロンバーグ病1名）
Cell-assisted lipotransfer for the treatment of Parry-Romberg Syndrome
Yanko Castro-Govea et al.
Archives of plastic surgery, 39:659-662,2012
1名のロンバーグ病患者（35歳男性）に対してCALにより脂肪移植を行った結果、ロンバーグ病の症状の改善が認められた。（症例報告）
Adipose-derived stem cells and their secretory factors as a promising therapy for skin aging
Byung-Soon Park et al.
Dermatol Surg, 34:1323-1326,2008
Pilot studyとして、1名の光老化の患者に脂肪から分離した脂肪由来幹細胞（purified autologous processed lipoaspirate）を顔面に投与した。重大な有害事象は認められず、投与後2カ月後の肉眼観察の結果、明らかなしわの改善効果が確認された。
Anti-wrinkle effects of adipose tissue-derived mesenchymal stem cells in a UV-irradiated hairless mouse model
Bae-Hwan Kim et al.
Tissue engineering and regenerative medicine, Vol. 7, No.5, 583-591, 2010
実験動物：Hairless Mouse